足攣りとの闘い
cover-image

足攣りとの闘い

WIP

背景

2014年12月初めてのフルマラソン。伊豆大島マラソンを走りました。高低差300m以上の坂を登り、下るなかなかハードなコース。下りきった30km地点で両足が痙攣し、残り12kmを歩きました。

それから8年の時を経て、再びマラソンに挑戦することに。2023年10月。水戸黄門漫遊マラソン。3時間10分から15分くらいいけると言われていたけど、あえてサブ3.5ペースで走行。28km地点で大腿四頭筋が痙攣。その後、ふくらはぎもハムストリングも痙攣。残り14kmを歩いたり走ったり、結果3時間45分。

2024年3月。佐倉マラソン。サブ3ペースで20kmまで。20kmで急に力が入らなくなってキロ5まで落とす。28km地点で大腿四頭筋が痙攣。そして30km過ぎてハムストリングもふくらはぎもお腹も背中も攣り、救護室へ。途中棄権。

2024年11月。つくばマラソン。サブ50やサブ255も視野に入っていたけど、完走したいという思いからサブ3ペースで。28km地点でふくらはぎとハムストリングが痙攣。30km過ぎて止まってストレッチ。その後は攣らないペースに減速して走行。41kmでふくらはぎ、ハムストリング、大腿四頭筋左右6箇所が順番に攣っていく。残り100mで一度動けなくなったが、最後は意地でゴール。3時間9分。

28km地点に何かがある。そしてその後の14kmはいかに攣らずに走れるかという、別の種目の競技になってしまっている。

これからは攣らないようにする対策と、レースでは攣っても目標が達成できるようなペースで走るという戦略でやっていこうと思う。

攣りの原因と対策

さて、攣り対策。水戸黄門漫遊マラソン後は、まだ走り込みを始めたばかりだから、特に対策をしなかった。佐倉マラソン後は、走り込んだのに攣るのはおかしいと思い、いろいろ調べた。しかも攣るのはハムストリングやふくらはぎではなく大腿四頭筋。そこで出会ったのは、ゼロベースランニング高岡さんの本だった。要はランニングフォームがまずい。猫背になっている。レース動画を見てみると、案の定、猫背になっており、横から見たら頭と足が出ていてスプーンのような走りをしていた。そこでランニングフォーム改善に動いた。

整骨院の深田先生 / 2024年4月

ギックリ背中になったときにお世話になった先生。右の腰が硬くて、これが左右のバランスに悪影響を与えていると教えていただいた。

ランニングコーチの黒川さん / 2024年4月

背中が硬くて旋回もできず、特に右の股関節が硬くて衝撃を吸収できなくなっているという趣旨のアドバイスをいただいた。

◆ランニングフォームの課題

①身体重心の移動→重心(骨盤)が上手く前に出せていないため、それぞれ片足に乗り込めないためブレーキが大きくかかる。足の力でよいしょ!と運ぶ走りになるため、足全体(特に前腿)が疲れやすい。「重心移動が走りのスタート」

②接地で股関節屈曲から吸収(引き込み)、離地で股関節伸展での発揮(押し出し)に課題、足部・足首周りの安定性に課題→接地でバネを作るためのクッション機能を活かせず、後ろにも足が伸びないため、離地するまでに力を使いがち。また、左足の大臀筋下部が機能しにくく腰背部に頼りがちのため腰痛リスクがある。「足は自然に流したい」

③腕振りのロス→胸椎回旋が上手く行かず腕振りがしにくい。腰部の硬さが強く、骨盤との連動にも影響。自然な弾みを上手く使えず、腕主導に。肩が疲れる+床反力を受けにくくなる。「腕振りは脊柱回旋と肘の振り子運動」

◆フィジカルとの関係

[立位]

  • 前屈→ハム下側ツッパリ
  • 後屈→そこまで特に問題無し
  • 側屈→両方硬い(特に右に倒しにくい・左腰が側面突っ張り)
  • 回旋→特に右へ回せない

[マット上]

  • ☆胸椎回旋→特に右に回せない
  • 股関節の曲げ→詰まり感はあまり無い
  • (+膝も伸ばすとハム突っ張りが強い)
  • 股関節内外旋→どちらも可動狭い(特に右が外旋可動域少ない)
  • 股関節の伸び→問題無いレベルだが左が伸びしろ(右は内旋可動が高い影響でよく上がる)
  • ☆殿筋柔軟性→両方可動域不足(左拳3つ分、右5)
  • 足首状態→左足は外側に逃げる(下腿に負荷)、右足は高さ上がらない(足底に負荷)

回転の要、脊柱回旋・股関節の動きに課題があり、四肢の力で頑張る癖があるため重心移動の制限、推進力の抑制に繋がっている。

仙骨前傾不足で股関節が上手く屈曲(吸収)できずその後伸展に繋がりにくいこと、離地で前に押し出すバネが生まれにくく、疲労感や今後の障害発生頻度を高める原因となる。

重心移動、走行時の体幹の安定性には足部の安定化も重要視されるため、シューズの履き方も見直しが必要。

ゼロベースランニングの高岡さん / 2024年5月

高岡さんの書籍が今回の改善の大きな一歩になった。直接ご本人にもみてもらいたいと思い、パーソナルへ。自分は、右の肩が落ちている。さらに身体の面が右側に傾いている。そのため、左肩を下げてバランスを取ることと、身体の面を左に向けること、それを意識しようとなった。

3名のアドバイスを中心に、以下のことを意識して、練習に臨んだ。

  1. 少なくとも月に1回は整骨院へ通い、腰と脚をほぐしてもらう。
  2. 猫背ではなく背筋を伸ばすことを意識する。
  3. 左の肩を意識的に下げる。
  4. 身体の面(へそ)を意識的に左側に向ける
  5. 月間走行距離は400kmへ

これを意識した結果、つくばマラソンでは大腿四頭筋の攣りがなくなった。41kmでは攣ったが、これはハムストリングとふくらはぎの痙攣を回避するために、意図的に大腿四頭筋を使ったフォームに変えた影響がある。

東京マラソンへ向けて

さて、東京マラソンまであと3ヶ月ちょっと。ハムストリングとふくらはぎの痙攣を回避する方法を探りたい。ふくらはぎの痙攣に関しては、クッションの高めなシューズを選ぶことで解決しそう。今回使用したハイペリオン2ではなくSC Pacer v2を検討したい。

どこかの記事に、攣る人はレース前に既に80%くらいの疲労または筋硬結が発生していて、攣らない人はそれが0%あるいは低い。という旨の話があった。これは当てはまっているかもしれない。ハムストリングがガチガチに硬い。日常的に硬い。

私が勝手に思っているのは、コップに水が溜まっていき溢れたら脚が攣るとして、脚が攣りやすい人は走る前から7割8割水が溜まっていて、攣りやすい状態にあるのに対して、滅多に攣らない人は空っぽだったり、少し溜まっている状態なのです。

走る前から攣りやすい状態にあれば、発汗や疲労により足攣りリスクは徐々に高まっていくので、レース中に攣りを防止するために塩分補給をしたり、薬を飲んでも間に合わない。

ref. ランニング中の足攣り対策①

またある記事では股関節伸筋と臀筋の疲労を補うためにハムストリングやふくらはぎを使うということが書いてあった。

As you get further into a long marathon distance race, the forceful contractions required from the hip extensor muscles and gluteus muscles to sustain a fast pace become more difficult to generate. To compensate for the hip extensor muscles and gluteus muscles becoming fatigued, the body recruits the muscles of the calf and quadriceps to assist in the generation of necessary power to maintain your marathon race pace. Since the muscles of the quadriceps, and especially the muscle of the calves, are not accustomed to such a large workload, they quickly become highly fatigued, contract irregularly, and begin to cramp.

ref. Muscle Cramping

股関節心筋と臀筋は硬い自信がある。この股関節とお尻周りの筋肉をほぐす、または鍛えることによって、解決できそうである。

洛南高校のフィジカルトレーニングを参考にしたい。

https://www.youtube.com/watch?v=U1VFvtRdQM4

Catalyst ZoneとCatalyst Recoveryを使ってみてもいいかもしれない。

  https://holosrc.com/customer-reviews-40/  

  1. フィジカルトレーニングの導入→主に上半身の柔軟性
  2. 2部練を始めて月間走行距離を500kmへ
  3. 股関節伸筋と臀筋のストレッチ
  4. 股関節伸筋と臀筋の筋トレ
  5. レース中のジェルとサプリの工夫

サニエスリンクの植松さん

サニエスリンクの植松さんにも見てもらった。そもそもいろんな要因が足攣りにはあるが、すでに緊張した状態だと攣りやすくなるというのがあると。自分の状況としてはこのようなことが挙げられる。

  • スウェイバック→膝付近に負荷が集中する傾向がある。
  • 右の肋骨が固まっている→右肩下がる原因の一つ
  • 腸腰筋が使われていない
  • 足首周りが硬い→安定性が失われてふらつく
  • 太ももと股関節の接合部のズレ→整体で調整

これらの状況から腸腰筋の運動、足首の剛柔を高めることをワークとして行っていくことにした。具体的には仰向けになり、膝を90度に曲げた状態で胸に近づけるというワークと、身体を前傾にして1cmだけ背伸びをするというワークだ。

COROS POD2の購入

ランニングフォームをデータから見てみたく、COROSのPOD2を購入した。ジョグの際に上下動と上下動比が9オーバー。さらに接地時間は230msほど。もっと接地時間を減らすのを意識したら、210msほどになった。ピッチが上がった。しかし上下動は変わらない。上下動のある走りは確実に足に負担がくるから、これは直さないといけない。

上下動は腕振りの向きとおへその向きを意識することで少し改善された。腕振りは横ではなく、縦。胸に対して垂直の位置を通ると、窮屈ではあるが骨盤が固定される感覚がある。へその向きは背筋を伸ばすと上に向きがち。それを真正面または少し下向きにすると、自然と前傾姿勢になって上下動が抑えられた。

福澤監督のフォーム指導 / 2024年12月

福澤監督に見てもらった。上下動のある跳ねる走りが気になっていたよう。キロ6分で走るところを見て、足を叩きつけている。それでは疲労が抜けないよ。と。そうかもしれない。フルの直前までこの走りで10km、12km走っているのだから、ジョグなのに負荷が強すぎる。そして普段は獲得標高100m超えのコースでジョグをしているが、フル前にもこのコースだから攣る説がでてきた。ヒールストライクにして走ってみた。すると競歩のような走りになった。そのまま足を前に置いてストライドを広くするだけ。5分で、4分で、3分30秒の意識でやってみた。今までと走りが全く違う。なんだろうこの走り方は。ピッチが200くらい出ていて、上下動も6~7。自分の走りっぽくは全くないのだけれども、フルマラソンでは仕方ないのだろうか。とりあえずこのまま練習してみよう。

競歩のような走りをしていたら、前腿上部(骨盤に近い方)とハムストリングが筋肉痛になった。確かに今までとは違う箇所が筋肉痛になっている。前腿上部はちょっと競歩っぽさが強過ぎた結果な気がしているので、もう少し自然に走ってみようと思う。

RUNNING CLINICの宮川さん / 2024年12月

RUNNING CLINICの宮川さんにランニングフォームの分析をしてもらった。

[ 歩行分析 ]

  • 膝から下をつかって地面を踏み込む歩き方
  • 腕はよく振れている
  • 歩幅はやや狭く股関節が十分に使えていない
  • 右肩が下がり、軸も全体的に右に傾く
  • 体全体が右捩れ傾向→右足がスイング足、左足がキック足

[ ランニングフォーム分析 ]

  • 踏み込むように走るので、接地の衝撃が強い
  • 太腿がうまく引き上げられておらず、股関節がうまく使えていない
  • 歩行同様体は全体的に右肩が下り右捩れ傾向

股関節が十分に使えておらず、膝から下で蹴り上げるようなフォームになっています。蹴り上げが強い分、飛び上がるような印象を与えてしまいますが、股関節やお尻を支えてくるとフォームの印象はガラッと変わるので、そこをうまく変えていきましょう!

股関節が使えていない、お尻が使えていない、膝下走り、傾き、右足のつま先の反り上がりといった課題が見えた。これに対するアプローチとしては、腸腰筋をはじめとする現在使われていない筋肉をトレーニングしてアクティベートすることのようだ。

整体院 祐さん

上下動のない走りをYouTubeで調べた時にヒットした整体師さん。主にフォームについての投稿があり、どれも自分に当てはまると思ったためパーソナルをお願いした。2つ課題がある。

①骨盤が後ろに下がっていて、足に乗っていない

②前に振り出した足の着地が遅いため、着地時に膝が曲がっている状態になり、反発を生かせない

階段ステップと2ステップ、その場お尻使いというワークを用いて、骨盤を足の上に乗せる感覚とお尻を使って素早く足を引く感覚を養う。

骨盤を足に乗せることとお尻の穴をすぼめることを意識した結果、左の脹脛を痛めてしまった。ジョグでも張りがすごいし、違和感あるし、ペース走のときは2,3日続くような張りが残る。これは何かが間違っている。

RUNNING CLINICの宮川さん / 2025年01月

前回は腸腰筋。今回はお尻のトレーニング。右足が全然後ろに振り切れていなかった。お尻の筋肉をアクティベートして、お尻を使えるような筋トレを始めた。前回のものを含めると、腸腰筋で2つの筋トレ。お尻で1つの筋トレ。あとはウォーミングアップ用に股関節を開くフィジカルを導入する。

次の日はお尻が筋肉痛だった。しかしジョグが明らかに軽やかになった感じがした。これはすごい!このまま続けていきたい。